弊社で建立させていただいた墓石が第30回想いを込めたお墓づくりコンテストで特別賞を受賞しました。
このコンテストは、全国優良石材店の会が主催するもので今年で30回目となります。
下記がお客様がこのお墓に込めた想いです。
夫は癌と診断されてから5ヶ月も経たず、77歳で旅立ちました。
夫とはその5ヶ月間いろいろな話はしましたが、生前一度もお墓の話をしたことはありませんでした。
私は、夫が亡くなってもその実感がなかなかなく、ある日夫のいた部屋に入った時、ふっと夫は今宇宙旅行に行っているんだ、そうだ宇宙旅行に長期出張中なんだと思えたのです。
そして、夫は宇宙旅行に行っているんだから、帰ってきたら私と一緒に入るお墓を終の棲家として作りたいと突然思い立ちました。夫が亡くなり頑張らなくてはと思っても、心が沈んて前向きになれない私の心に、その時一筋の希望の灯が見えた気がしました。
そして、どんなデザインにしようかと考えるのは楽しく、思い浮かんだのが、弁護士バッジを模したデザインのお墓でした。
私が弁護士になれたのも、今まで弁護士の仕事を全うできたのも、夫のおかげです。結婚してすぐ夫は私に何か勉強でもしたらと勧めてくれ、私は偶然新聞で目にした大学法学部の通信教育を始め、やがて夫の後押しもあり司法試験を目指すようになりました。
そして10年後の43歳で司法試験に合格し、2年の修習後いきなり自宅で独立しました。
当初は事務所の部屋もなく事務員もいない法律事務所でしたが、夫が55歳で会社を早期退職して私を手伝って助けてくれるようになり、それからは本当に夫婦で助け合って弁護士の仕事をやってくることができました。
夫なくしてこれまでの弁護士の仕事はできませんでした。ですから、弁護士バッジは夫と私の2人を象徴するものだとの思いから、私と夫が入る終の棲家のお墓は弁護士バッジに似たデザインが一番ふさわしいと決めました。
弁護士バッジはひまわりの中に天秤がついています。私は2つの天秤の当事者を公平に調整するのは愛だと常日頃考えていましたので、弁護士バッジにはありませんが天秤の真ん中には「愛」という文字を入れました。
そしてそれは、私と夫も愛でお互いを支え合ってきたことも表すことが出来、最も私と夫のお墓に入れる文字としてふさわしいと。
お墓でお参りする際、年を取るとしゃがむのが苦痛になります。そこで、お墓の前に2つの勾玉形の椅子を作り座れるように工夫したのですが、この椅子に座るとちょうど目線がお墓と同じ高さになり、先日お参りしてくれた友人と椅子に座って話をしていたら、
「まるでご主人と3人で話をしているような気になるね」と言われ、本当にそうだなと実感しました。
草取りやお花の管理の心配もしなくていいようにしたお墓なので、高齢になってからの私にも、遠方にいる子供らにも管理しやすいお墓になりました。
このお墓づくりを通じて、夫が亡くなって辛く悲しい沈んだ心を少しづつ癒すこともできました。
そして、これからはあの椅子に座って夫と話をしに行こうかなという前向きな気持ちにもなれるようになりました。
お墓を作って、本当によかったとお参りのたびに感謝の気持ちで一杯です。
お父さんへ
宇宙旅行はいかがですか?お寺でもらってくる塔婆は、宇宙のあちこちへ行くためのパスポートなんだそうですよ(お寺のおくりさまの話)。
私と2人だけで入るお墓気に入ってくれましたか?
隣にはあなたが可愛がってた犬2匹と猫1匹の写真と、名前の入った石碑もありますよ。多分これが一番気に入ったのでは?
まだまだ私は宇宙旅行をご一緒できませんが、そのうち私も宇宙に行ったらしっかり案内してくださいね。そして、一緒にこのお墓で過ごしましょう。